失敗しないハウスメーカー選び      最強プロセス

一生に一度の住宅購入。相手は百戦錬磨の営業マン。ハウスメーカー選びにおいて、契約までの失敗しないプロセスをお伝えします!

アパート建築の一括借上の闇【一括借上検討者は要チェック!】

今回はアパート建築をする方向けの記事です。

 

『実家が空き家になってしまうから、アパートに建替えて家賃収入が欲しいけど、空室時でも家賃が入る一括借上が安心だな〜』

 

『アパートが老朽化してきたから、建替えたいけど、古くなると入居者決まりづらいから始めから家賃保証の一括借上が良いな』

 

なんて考えている方。

 

一括借上げ(いっかつかりあげ)というシステムはご存知でしょうか?

 

別名、マスターリースまたはサブリース。

 

自分のアパートに入居者がいる時は勿論ですが、空室時でも家賃を払ってもらえる安心なシステムです。

 

特徴としては、管理手数料が割高です。

 

ほとんどの場合、一般管理という不動産屋さんに管理を頼む場合は3%〜5%が相場です。

 

それに対して、一括借上の管理手数料は10%です。

 

家賃が10万円だとしたら、1万円が管理費で取られるということです。

 

大手ハウスメーカーになると、自社グループにこの一括借上をしてくれる会社があったりします。

 

この家賃保証ですが、個人的には正直そこまでお薦めしてません

 

(こんなこと言ったら会社に怒られそうですが)

 

なぜか?

 

主にこの2点です。

 

①家賃の見直しが2年(会社による)に一度ある。

 

②家賃保証だろうが、違かろうが入居者にとっては関係ない。

 

まず、大前提として!

 

家賃保証だろうがなんだろうが、そもそも会社側が儲からなければ、こんな事絶対しません。

 

会社が家賃保証をする理由は『儲かるから』です。

 

それもそのはず。

 

家賃の保証は、20年も30年もずっとその金額で保証してくれる訳では無いのです。

 

大体が『2年(会社による)に1度、家賃の見直しが可能となっています。

 

つまり、『入居者が入らなくなったら、保証する家賃も下げさせてね。』ってことです。

 

たまに、この期間が2年ではなく5年とかもう少し長いケースもあります。

 

でも、結局は同じことです。

 

そもそも、新築で建ててそんな家賃がすぐ下がるようなら、建物の計画案からやり直した方が良いと思います。

 

他にも、もし一括借上をお願いするなら気をつけた方が良いポイントをお伝えします。

 

【気を付けるべきポイント】

①解約時の違約金や条件

②一般管理への移行について

③入居者時のクリーニング業者の選定について

④免責期間について

 

①解約時の違約金や条件

一括借上は、家賃保証と言いながら入居が決まらなくなると家賃が下がる事があります。

 

その家賃を下げる提案に不服とした場合、双方の条件が合わないということで解約になる場合があります。

その際の、違約金の規定や、細かい条件が付いているケースもあるので、しっかりチェックしてください。

 

 

 

②一般管理への移行

途中で一括借上をやめて、一般管理にする場合にも諸条件を確認しておくと良いでしょう。

 

また一般管理には『集金管理型(滞納保証付き)』『直接振り込み型』に分かれます。

 

『集金管理型』とは、入居者が管理会社に振り込みをするので、大家さんは入居者から家賃が振り込まれているかをチェックする必要がありません

 

また、万が一入居者が家賃の振り込みを忘れていた場合でも、管理会社が気づいて、いったんは管理会社から大家さんに家賃が支払われます。(滞納保証)

 

勿論、家賃の振り込み催促は管理会社が大家に代わってしてくれます。

 

一方、『直接振り込み型』入居者から大家さんの口座に直接、振り込みがされるので、大家さんが毎月通帳をチェックする必要があります。

 

もし、入金が無い場合は管理会社に連絡をして、振込の催促をしてくれます。

 

一般的には、『集金管理型』の管理料が5%前後『直接振り込み型』の管理料が3%に設定されているケースが多いのではないでしょうか。

 

 

 

 

③入退居時のクリーニング業者の選定

入退居があった際に、部屋のクリーニングを大家負担でする場合、一括借上だとそのクリーニング業者を大家側が選べないケースがあります。

 

そうなると、大家は提示された見積りを払うしかなくなるので確認しましょう。

 

入退居のクリーニングが必要だと管理会社に言われて、請求された金額を払ったのに、クリーニングがちゃんとされずに募集されているケースが実は意外とあります…詐欺やん…

 

 

 

④免責期間について

空室時でも家賃を保証してくれるのが一括借上の安心感だと思ってたのに、入退居が起こった場合に、免責期間を設けられているケースもあります。

 

つまり結局、空室になったら家賃入らない期間が出てきます…

 

通常は、新築時の一番初めの2ヶ月間くらいが免責になるケースが多いです。

 

(ローンの支払いは大抵、この免責期間が終了後に支払スタートできるからご安心を)

 

 

 

あと、一括借上げの闇でもありますが、建築会社の自社グループ限定で借上げ可能なところは注意してください。

 

管理体制がめちゃくちゃ良いと思いきや、その分の生み出すはずの予定利益が建物の利益に上乗せされているだけの可能性もあります。

 

(※もちろん、全ての会社ではないです)

 

つまり1か月の管理手数料が、5万円だとした場合、2年分の手数料は、

5万円×24か月=120万円

 

つまり、建物の金額に120万円上乗せしてしまえば、2年間分の手数料はその時点で稼げていることになります。

 

ですので、管理面のサービスを手厚く見せて、さも『めちゃくちゃお得な管理体制に見せる』という事も可能ということです。

 

8,000万円のアパート建築費が、8,120万円で提示されても、分かりますか?

 

そういう意味では、個人的には管理会社も何社か相見積もりを取って、目線をしっかりもっておく事は大事だと思います。

 

正直、賃貸は客付け力が強いところに任せるか、そうでないかで大きな差がでます

 

管理会社の選定も、妥協せずしっかり考えていきましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それ意外でも一括借上は、あくまで借上する会社が大家から全てを借りて、他の人たちに又貸しする制度なので、大家の希望は案外通りづらいです。

 

たまに、『家の持ち主である大家の意見が通らないなんておかしい!』ってクレームを発している人がいますが、正直言ってちゃんと仕組み理解してないんだろうなと思います。

 

もちろん会社側がきっちり説明するべきだとは思いますが、何でもかんでも教えて貰えると思ったら大間違いです。

 

私は、一戸建てを検討する方とは違いアパート建築をする方には、お客様であっても結構厳しく言います。

 

一戸建ては自分達の住む家を建てるので、自分達の満足いく形にすれば良いと思います。

 

ただアパート建築は1つの事業です。

 

成功しようが、失敗しようが自分の責任です。

 

なんとなく親の土地を相続して、『アパートでも始めちゃおっかな〜』なんて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、入居者の支払う家賃は変わりません。

 

その物件が家賃保証だろうとそうでなかろうと、入居者にしてみればどうでも良いことです。

 

本来、大家さんに入る賃料を『家賃保証の手数料』と言えば聞こえは良いですが、要は『ピンハネ』してる訳です。